【FX】海外口座を使わない理由!ハイレバレッジの意外な落とし穴とは?
日本のFX業者と海外のFX業者の一番の違いは、海外は超ハイレバレッジでトレードができる点です。
しかし、僕は海外FX口座でのFXをお勧めしません。
なぜなら、海外FX口座はレバレッジが有利でも税金面やリスク面で不利になってしまうことが多いからです。
この記事では、海外FX口座のメリットとデメリットについて説明していきます。
レバレッジやゼロカットで一見魅力的に見える海外FX口座も実は落とし穴があることを理解してもらえると思います。
なぜ海外FXに需要があるのか?
①ハイレバレッジで取引できる
海外FXの特徴は日本よりも超ハイレバレッジなトレードができることです。
日本では法律で最大レバレッジが25倍までと制限されていますが、海外FXなら500倍、888倍、3000倍などレバレッジの上限がありません。
FXの魅力は『少ない資金にレバレッジを掛けて大きなトレードが出来る』ことですが、海外ではその度合いが段違いです。
日本(25倍)
必要証拠金=100円×10000通貨÷25倍=40000円
海外(1000倍)
必要証拠金=100円×10000通貨÷1000倍=1000円
つまり、日本だと40000円必要なトレードを海外だと1000円あれば出来てしまうわけです。
どちらも10000通貨の取引で100pips抜けば1万円の利益だとしたら、証拠金は少ない方が嬉しいです。
②ゼロカット制度がある
海外FXはゼロカット制度を導入している業者が多いです。
ゼロカット制度を導入しているFX業者なら、例えどんなに暴落でロスカットを食らっても追証が発生しません。つまり入金以上の損失が出ません。
日本は法律でトレーダーの損失(借金)をFX業者が補填できない法律があるのでゼロカット制度を導入できません。
③入出金方法が充実
海外FXは入出金の種類が充実しています。
ビットコイン入金、クレジットカード入金、送金ウォレット(bitwalletなど)入金など、非常に幅広いサービスから入金できるのに対し、日本は基本的に銀行振込(+付随するクイック入金)のみです。
海外FXの落とし穴
①税金面で不利すぎる
海外FXは税金面で圧倒的に不利です。
なぜなら、国内FXで掛かる税金は申告分離課税(MAXで約20%)ですが、海外FXは総合課税(MAXで55%)だからです。
総合課税は累進課税が適応されるのでFXの利益が195万円を超えてくると国内を使った方が税制面で有利になってきます。
さらに、国内ならトレードで損しても損失を次年度に繰り越せる一方で、海外は繰り越しができません。
②スプレッドが広い
海外FXは国内に比べてスプレッドが広いです。
なぜなら、高いレバレッジを実現するにはレート変動によるFX業者が抱えるリスクをスプレッドに乗せて緩衝材にするしかないからです。
日本でも相場変動が激しくなるとスプレッドが開きますが、海外は開き方が比ではないので、海外でスキャルピングは選択肢に入らなくなります。
例えば、25倍の日本だと米ドル円(USDJPY)のスプレッドは0.2pipsとかですが、ハイレバの海外は1.8~2.1pipsも開いています。(国内の10倍近く!)
③証拠金維持率のトラップ
海外FX業者はロスカットを食らった場合手元にお金が殆ど残らないというトラップがあります。
基本的に、ロスカット(維持率100%として)を食らった時はトレードに使っていた必要証拠金は戻って来ますが、レバレッジが高いと必要証拠金が少なくて済む=保全されるお金が少なくなってしまいます。
米ドル/円=100円を10Lot(100,000通貨)買う場合
日本(25倍)
必要証拠金=100円×100,000通貨÷25倍=40万円
海外(1000倍)
必要証拠金=100円×100,000通貨÷1000倍=1万円
つまり、ロスカット後に日本のFX業者なら40万円前後(滑った分の損失は引かれる)戻って来ますが、海外だと1万円前後しか戻って来ません。
⑤ギャンブルトレードになりやすい
海外FX口座を使っているとギャンブルトレードになりやすいです。
なぜなら、少ない証拠金で大きなトレードが出来るので必然と資金力に見合わない大きなトレードをしてしまうからです。
そして、レバレッジ25倍だろうが、レバレッジ1000倍だろうが実効レバレッジは同じなので含み損になることを理解しましょう。
レバ25倍の時の損失
レバ25倍の時の損失
怖いのは、同じ10万円の含み損を抱えていても海外FX口座だとまだまだ証拠金維持率が高く維持されることです。
結果、更なる大きなロットを張って入れてしまいイチかバチかのトレードをしてしまいます。
【超ハイレバの罠】
同じロット張ってて国内25倍で維持率100%なのと
海外1000倍で維持率100%なのとヤバみが段違い。
前者は
矢が何本か刺さってるヤバみ
(もしかしたら死なない)後者は
まさに切腹中で介錯待ちのヤバみ
(もう死にそう)レバが高いと余力を見誤りやすい。
— わらしべ (@warashibeTRADE) March 21, 2020
⑤出金拒否と破綻のリスク
海外FXでは出金拒否とFX業者が破綻するリスクが日本よりも高いです。
これは噂とかそういうレベルではなくて、ハイレバFX業者の仕組み上、起こり得ることです。
ハイレバの海外FXは注文を自社内で処理する金額(ノミ行為)が数千億、数兆円と莫大なものになっています。
そして、基本的にBbookのFX業者はトレーダーの利益=業者の損失になりますから、
トレーダーが勝ちすぎれば出金拒否
○○ショックで自社内で処理しきれなければ破綻
のリスクが常に付きまといます。(記憶に新しい)
また、海外FXの特徴である『ゼロカット制度』ですが、本来は発生している損失をFX業者が企業努力で帳消しにしてくれるだけのシステムなので〇〇ショックなどの緊急時には機能しないことも考えられます。(昔、ある海外FX業者がゼロカット制度を一方的に破棄してユーザーに追証を求めた例があります。)
⑥緊急時の対応が大変
海外FXは緊急時の対応が大変です。
なぜなら、日本だとメールなり電話で日本語で対応できますが、海外だとそうはいかないからです。
入出金でトラブルがあったり、万が一のロスカットがあったり、そういった緊急時に窓口が日本人か外国人かでは安心感が違うはずです。
僕も一度経験したことがあるのですが、ある海外FXブローカーで出金情報の入力に不備があり、慣れない英語のやり取りをした末に着金まで4週間掛かったことがありました。
逆に国内FXであればロールオーバーがあった時や入出金のトラブルがあっても日本人のコールセンターで落ち着いてやり取りできます。
まとめ
海外FX口座のメリットはズバリ、超ハイレバレッジでトレードが出来る&ゼロカット制度を導入していることだと思います。
ところが、メリットの裏返しがそのままユーザーにもFX業者自身にも跳ね返ってきていることを忘れてはいけません。
国内FX口座では『追証が発生してしまう』リスクこそありますが、常に最悪を想定して『低レバ』でトレードしていればその可能性は低いです。
海外FX口座は便利なので全否定するつもりはありませんが、以上の理由から僕は国内FX口座でトレードすることをお勧めします。