為替相場で儲けている奴らは誰か?
敵を知り己を知れば百選危うからず。
孫子の有名な言葉で、『敵と自分の実力を把握していれば危なげなく戦えるよ』という意味です。
トレードも一緒で、自分の実力はもちろん為替相場で儲けているのは誰なのか?そして彼らは『なぜ』儲かるのか?を知っておくことは非常に重要です。
彼らが儲かるメカニズムを理解していれば、どのように立ち回れば負けない(結果的に稼げる)のか自ずと見えてくるはずです。
為替相場で儲けているのは誰?
為替相場は『誰かの損失』=『誰かの利益』になるゼロサムゲームの世界です。
トレードは極端に言えば上がるか下がるかの2択(50%)であるはずなのですが、なぜか個人トレーダーは9割が負けると言われています。
これは個人トレーダーだけ運が悪いのではなく、個人トレーダーが誰かのカモにされていると考えるべきなのです。
最大の天敵:ヘッジファンド
個人トレーダーを最も狩り殺しているのはヘッジファンドです。
『ハゲタカ』なんて呼ばれたりします。
ヘッジファンドは為替相場で『儲けること』が仕事です。投資家から預かった資金、または自分たちの資金を運用し利益をあげること。その為なら個人トレーダーだろうが中央銀行だろうが手段を選ばず狩りにやってきます。
そのトレードは高度に自動化され、圧倒的な資金力とアルゴリズムでテクニカルを外してきたり相場を揺さぶったりしてきます。
個人トレーダーの手の内は読まれている
貴方は、ヘッジファンドが個人トレーダーのポジションを全て把握しているのを知っていますか?
信じられないかもしれませんが、個人トレーダーでもある程度ロット数を打てばFXブローカーからorderbook(他人のポジション状況)を公開してもらえますよね?(例えばOanda)
ヘッジファンドのロット数は個人トレーダーどころの比では無いので、FXブローカーすら通さず直接大手銀行など為替相場の流動性を司る機関にオーダーを出し、ポジション状況を公開してもらえます。
その情報を駆使しすれば『何円付近にどれだけのポジションが溜まっているか』『いくらの資金を投入すれば他人の損切りを誘発(つまり自分たちの利益)できるか』を割り出すことができます。
そして自社のAIによって投入資金に対してリターンが申し分なければアルゴリズムによって機械的にストップ狩りを執行します。
これではハイレバ個人トレーダーは一溜りもありません。
テクニカル厨は狩りやすい
ヘッジファンドの大好物は『テクニカル厨』です。
テクニカル指標やインジケーターを妄信しているトレーダーは、皆似たような場所でエントリーするので多くのテクニカル厨のポジションが溜まります。
テクニカルを否定しているわけではなく『A手法は上手く行かなかった』⇒『B手法なら勝てるはず!』とテクニカル手法コレクターの人は一生ヘッジファンドに狩られ続けます。
味方の振りした天敵?:FXブローカー
直接的な攻撃はありません(無いと信じたい)が、FXブローカーも業者によっては個人トレーダーの天敵です。
なぜかというと、トレーダーの損失がFXブローカーの利益になる場合があるからです。
FXブローカーが利益を挙げる方法
FXブローカーが利益を挙げる方法は二つあります。
①取引手数料で儲ける
『スプレッド』のことで、売買の往復で1回取られます。
FXブローカーはそもそも『取引を仲介する会社』なので、スプレッドによる収益がメインとなります。
トレーダーが取引すればするほどスプレッドによる収入が大きくなっていく仕組みです。
②ノミ行為で儲ける
FXブローカーは『取引を仲介する会社』なので、トレーダーのオーダーを銀行など為替の根本を司る流動性に流さなければいけません。
しかし、必ずしもオーダーを流す必要はなく、自社内でオーダーを相殺することも可能です。(例えば、別々のトレーダーから同じ量の買いと売りがあるなら相殺できますよね)
また『どうせ負けてしまうトレーダー』のオーダーなら、そもそも流動性に通さず負けるのを待つ=損失を懐に入れる、いわゆる『ノミ行為』も可能です。
実は『ノミ行為』自体は違法ではなく、DD方式というFXブローカーの営業形態です。日本国内、海外問わず往々にしてとられている形態です(大っぴらにノミ行為をしているとは言いませんが)
FXブローカーとしてはスプレッドによる微々たる収益より、トレーダーの入金額が収益の期待値になるため、『9割が負けるトレーダー』のオーダーは全ノミした方が利益率が圧倒的に高くなります。
不正なレート操作やスリッページ
別に違法ではない『ノミ行為』は一般的にトレーダーに嫌われていますが、それには理由があります。
流動性に流さないオーダーは理論上FXブローカーが好き勝手に操作できるからです。
不正なレート操作をして損切りに引っ掛けたり(ストップ狩り)、スリッページや遅延を意図的に起こして不利なレートで約定させたり、個人トレーダーが負けるように、不利になるように仕掛けることができます。
そしてロスカットや損切りが有った場合、トレーダーの損失がFXブローカーの利益になる仕組みです。
僕達、個人トレーダーからは『自分のオーダーが飲まれたかどうか』を知る術は有りません。が、理論上は可能であるため、FXブローカーを利用する限りこの疑惑は常に付き纏います。
まとめ:個人トレーダーは常にカモにされている
個人トレーダーの天敵を紹介してきましたが、為替相場は全てのプレーヤーが等しいチャンスで利益を奪いあうフェアな世界では決してなく一方的に個人トレーダーがカモられる世界だったというわけです(^-^;
だからこそ『個人トレーダーの9割が負ける』わけであり、運が悪かったとか下手だったとかいう次元ではありません。
ヘッジファンドとFXブローカー
この2つが個人トレーダーの天敵であり、彼らがどのように狩りに来るのかを常に念頭においてトレードしなければいけません。
『わらしべ流トレード』が【堅実なトレード】で防御に重きをおくのは天敵から身を護るためです。
為替相場で一体誰が儲けているのか?を常に意識して生き残っていきましょう。