【FX】ファンダメンタルズ分析の意味とは?分析手法と使い方を解説してみる
FXで相場の方向性を予想する手法としてファンダメンタルズ分析とテクニカル分析があります。
しかし、多くの手法やノウハウが公表されているテクニカル分析に比べてファンダメンタルズ分析に関してはネットや書籍を探しても『経済指標に気を付けよう』くらいの情報しか出てきません。
なぜファンダメンタルズ分析に関して具体的な手法が出てこないのでしょうか?
この記事ではファンダメンタルズ分析とは何なのか?についてまとめていきます。
分析方法の種類と共通点
ファンダメンタルズ分析
ファンダメンタルズ分析とは、世界情勢やニュースなど為替変動に影響を与える情報を収集・整理して相場の方向性を予想する方法です。
例えば、国や企業の経済状況を表す指標で、各国通貨の金利や失業者率、GDPなどの情報です。
他にもコロナウィルスの蔓延、戦争、テロなどの世界的な危機、地政学的リスクもファンダメンタルズに含まれます。
テクニカル分析
テクニカル分析とは、為替変動のチャートを視覚的に分析して値動きを予想する方法です。
インジケーターなどのテクニカル指標やトレンドラインなどを描画し、値幅を観測したり意識されるレートを把握することで、トレードの判断材料やエントリーの根拠になったりします。
ファンダとテクニカルの共通点
『ファンダとテクニカルは対極である』とよく言われますが、とても重要な共通点があります。
それは、ファンダメンタルズもテクニカルも分析が正しかったかどうかは『後から』分かるという点です。
相場が動いた後なら誰でも綺麗にフィボナッチやチャネルを引けるのと同じで、ファンダメンタルズも後から『あのニュースがキッカケだった』と気付くことが殆どです。
しかもファンダメンタルズ分析はテクニカルと違い予想を視覚化するものではないのでネットや書籍を探してもコレと言ったノウハウが見つかりません。
ファンダメンタルズとテクニカルの関係
ファンダメンタルズ分析を理解するには、世界情勢(ファンダ)が発生・変化した時に為替相場がどのように動くかを理解しておかなければいけません。
僕のFXに対する根本的な考え方でもあるのですが、ファンダが発生した時の為替相場は次のように動きます。
ファンダで為替相場が動く時
STEP①
世界情勢(ファンダ)が生まれる
STEP②
為替を上下する(させる)理由になる
STEP③
ヘッジファンドや大手が方向性を決める
(動かすかどうかも含めて)
STEP④
大衆がトレンドを追いかける
STEP⑤
テクニカル指標に表れる
『為替相場は基本的にファンダを理由に動き、ヘッジファンドが方向付けし、出来たトレンドを大衆が後追いし、テクニカル指標に表れる』です。
つまり、ファンダメンタルズが一番先で、テクニカルが一番最後なのです。
なぜテクニカルが一番最後なのか?
今この瞬間に表示されているテクニカル指標は『過去の値動きを数値化したもの』だからです。
短期的なテクニカル指標(特にRSIやボリンジャーバンドなど)が全く役に立たないように、トレンドを大衆が追い掛けて値動きが確定しなければテクニカル指標は参考になりません。
長期目線も同じで、長期でテクニカル指標を解析してもファンダ(国のデフォルトや戦争、地震、コロナの蔓延)を予想することは出来ません。
なのでファンダが発生して為替変動する時はテクニカル指標が一番最後なのです。
ファンダメンタルズ分析の目的
ファンダメンタルズ分析はどのように活用したら良いでしょうか?
まずファンダメンタルズ分析の目的は『エントリーポイントを探すこと』ではなく『相場の方向性を予想してトレード計画を立てること』です。
理由は前項の説明のとおりで、ファンダを受けて次に動くのは相場を方向付けるヘッジファンドなどの大資本だからです。
大資本が方向付けするときはドカンと動いたり一方的なトレンドが発生することが多いので、大衆の個人トレーダーがファンダを根拠にエントリーすることは『丁半博打』にしかなりません。
なので、エントリーに使うのでは無く、相場の方向性を予想(動いた後の計画を立てる)するために活用します。
ファンダメンタルズ分析の活用例
ここからはファンダメンタルズをもとにどのように相場を予想しトレード計画を立てていくのかを紹介していきます。
2020年のコロナショックを例に、ファンダメンタルズ分析の活用例を紹介していきます。
フェーズ①ファンダが出始める
コロナウィルス蔓延のニュースが出始めます。
この時点では相場がどちらに動くか誰にも分かりません。
(実際に米ドル円は最初円安方向に進み(2/18~2/20)そのあと激しく円高方向に進みました。)
なので、ファンダメンタルズ分析では
①上に行く円安パターン
②下に行く円高パターン
の2つを考えておかなければいけません。
①ポジションを持っていない人
⇒方向性が出るまで待つ。
⇒トレンドに従ってエントリーする
⇒エントリーして逆行したらどうするか考えておく
②ポジションを持っていた人
⇒プラス方向に動けばラッキー
⇒マイナス方向に動いた場合どうするのか計画しておく
(損切りするのか、耐えるのか、どこまで耐えらえるのか)
トレンドが出るまで待たない、山勘でエントリーするのは厳禁。
フェーズ②暴落⇒トレンドが始まる
『コロナ蔓延』のファンダメンタルズを受けて、相場の方向性が決まります。
(今回はクロス円は円高方向に動きました。)
①予想&計画しておくべきこと
⇒『コロナ蔓延のファンダ』で下げ止まるところはどこか?
⇒底を打ったらどうするのか?
考えて計画を立てておく。
過去の安値やショック相場で動いた値幅などを参考にしたりして予想を立てます。
また
『何を基準に底を打ったと判断するか?』
『底を打ったらどうするのか?』
コレを予め計画せずに短絡的に往復取ろうとすると焼き殺されます。
フェーズ③底付近のファンダ分析
トレンドの終焉付近はファンダメンタルズと実際の相場に乖離が生じることが多いです。
今回のコロナショックもそうです。
コロナ蔓延(ファンダ)と相場の乖離は?
大底っぽい値動きを見せたのは3月18~19日。
コロナの状況は全世界でどんどん悪化していくはずなのに、価格的には下落が止まりました。
ファンダメンタルズ的な予想
⇒まだコロナは収まらない。むしろ酷くなっていく。
テクニカル的な予想
⇒価格的には底を打っている?
つまり、コロナのファンダ要因では下落しにくくなってきています。
ココで再度、ファンダメンタルズ分析をします。
コロナ以外の世界情勢で大きく取り扱われているものは何なのか?どれだけファンダが出ているのか?を調査します。
コロナ蔓延の他にファンダメンタルズが出ていないか?
当時出ていたファンダは?
・レバノンのデフォルト
・原油価格競争
・各国の経済停滞が表面化
・経済停滞に対する施策発表
・日銀のETF購入
など
これらの情報を集めて、ヘッジファンドがどう判断するのか?したのか?を推測します。
これも、
①底を打ったパターン
(好材料が出た&不安材料が出尽くした)
②底を打ってないパターン
(材料が不足してた&他に不安材料が出た)
の二つが必要です。
フェーズ④計画の見直し
①底を打ったパターン
(他のファンダが好材料&不安材料が出尽くして上昇相場になるだろう)
コロナで下落は終わっているっぽいので、他のファンダ以上のビッグニュースorバッドニュースが出なければ『ファンダ的に底を打った』と判断する。
⇒ファンダ的には直近安値までの下げが限界
⇒この後レンジ相場が形成されればテクニカル的にも底を打ったと判断する
⇒レンジの下値付近で買いエントリーを仕込む
⇒ショートを持っているなら決済する
など
②底を打たないパターン
(好材料不足&不安材料がまだ残っていて下落は続くだろう)
コロナ以上もしくはプラスアルファのマイナス要素が出るかも?
コロナで経済停滞したうえに原油価格競争が激化する可能性があるかも?
経済停滞の政策が『不十分』と思われてまだまだ下がるかも?
⇒直近安値を割る可能性がある
⇒新たな不安材料(ファンダ)が出ないか注視する
⇒底打ちを確認するまでは静観する
⇒トレンドが続くようならショートで追い掛ける
など
このように、ファンダメンタルズ分析は多面的に相場を考える必要があります。
なので
どちらの方向に動いても対応できるようにしておくこと
材料がどれだけあるのかを把握しておくこと
この2つが超重要です。
これだけ把握しておけば新たな材料が出た時に『動いたのか?』『動かなかったのか?』が分かる状態になっています。
ファンダメンタルズ分析には経験が必要
ファンダメンタルズ分析で多面的な計画を立てられるようになるには『相場経験』が必要です。
僕もFX歴が15年と長いので『ショック相場の底打ち後はレンジ相場が出来る』という判断基準を用いましたが、これも『相場経験』があってファンダメンタルズ分析との答え合わせが可能になっています。
テクニカル分析にも必要なトライ&エラーがファンダメンタルズ分析にも必要です。
初めてのファンダメンタルズ分析
ここまでコロナショックの例を挙げて説明しましたが、平時に『これから初めてファンダメンタルズ分析に挑戦する』人は何をしたら良いでしょうか?
ファンダメンタルズ分析の手順は極めてシンプルです。
ファンダメンタルズ分析の手順
①情報を集める
②情報を整理する
③方向を予想する
④当たった時&外れた時の計画を立てる
これだけです。
なんか間の抜けた、というか素っ気ない返答になってしまいますが、ファンダメンタルズ分析を突き詰めると至ってシンプルになるのです。
(テクニカル分析も突き詰めると非常にシンプルになるのと同じ)
何から手を付けて良いのか?
『今日からファンダメンタルズ分析を始める』というのであれば、僕なら
日経平均株価と米ドル/円に関する情報
原油価格と資源国通貨に関する情報
この2つを集めることから練習します。
ちなみに一般的に相関関係にあると言われているのが
株価が上がる材料⇒米ドル/円も上がる
原油価格が上がる材料⇒資源国通貨も上がる
と言われています。
『織り込み済み』は都合の良い言い訳
しかし、ファンダが必ずしも一般的な方向性と一致するわけではありません。
ファンダ発表とは逆に相場が動くと『織り込み済み』だったと終わらせる人も居ますが、言うなれば『外れた』ことに他なりません。
テクニカル指標がヘッジファンドに利用されて『外す』『外される』ことが多いように、ファンダメンタルズも同様に大口のオモチャ(大衆狩り)に利用されることが多々あります。
なので
ファンダをチェックする≠ファンダを信用する
ではないことを念頭に入れましょう。
ポイントはファンダを『参考』にどちらに動いても対応できるようにトレード計画を立てることが重要です。
そして『どのファンダがヘッジファンドに利用されたのか?されなかったのか?』が分かれば良く、トレード計画の答え合わせ=経験を積むことに利用できればファンダメンタルズ分析は大成功と言えます。
まとめ
ファンダメンタルズ分析は、エントリーの根拠を探すのが目的ではなく相場の方向性を予想しトレード計画を立てることが目的です。
テクニカル分析と比べると数値化出来ないので非常にモヤっとした手法ですが、テクニカル指標もファンダメンタルズもヘッジファンドに『利用される』『外される』点では同じです。
なのでFXではどんな情報も信用するのではなく参考にすることが大事です。
ファンダメンタルズとテクニカルのどちらか一方に傾くのではなく、バランスよく参考にして多面的に相場を捉えられるよう頑張って行きましょう!
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参考記事:低リスク!資金10万円~50万円&1000通貨でトレードできるFX会社まとめ
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