【FX】ロット(Lot)とは?破産しないロット数の決め方は?
FXの取引では『1ロットの買いを入れる』『1ロットでエントリーする』という表現が頻繁に出てきます。
初心者にとっては馴染みの無いワードなので何のことか分からないかもしれません。
しかし、初心者こそロットの意味を理解しておかないと瞬殺でロスカット(破産)するリスクがあるので絶対に理解しておく必要があります。
なぜなら、FXで生き残るために必要不可欠な資金管理において最も重要はワードだからです。
この記事では『ロットとは何か?』をテーマに、どう資金管理に活かすかを解説していきます。
ロットとは?
ロットとはFX会社によって定められた最小取引単位のことです。
トレーダーは【「1米ドル/円」=「105円」】と値付けされた【商品(通貨ペア)】を買ったり売ったりしているわけですが、1個ずつ取引したのでは細かくなりすぎるので1取引10,000個以上、100,000個以上と大きな数をまとめて取引するルールになっています。
また、FXでは取引する通貨ペアによって円、ドル、ユーロ、ポンドと呼び方が変わるので「10,000個」ではなく共通して「10,000通貨」や「100,000通貨」と呼ぶことにしています。
身の回りにもある『取引単位』たち
より分かりやすく説明するために、僕たちの周りにも使われている取引単位を例にしてみます。
比較してみるとイメージしやすいです。
取引対象 | 取引単位 | 個数 |
えんぴつ、お菓子 | ダース | 12本、12個 |
玉子、トイレットペーパー | パック | 6個、10ロール |
たばこ | カートン | 10箱 |
通貨ペア (ドル円、ユーロ円など) | ロット | 1万通貨 |
FX会社や通貨ペアによって個数が変わる!
初心者が混乱してしまう理由のひとつに、1ロットは利用するFX会社によって個数が違うことがあります。
ややこしいですが、量販店やディスカウントショップによって1箱、1パレットに入っている商品数が違うのとイメージが似ています。
国内口座の場合は【1ロット=10,000通貨】と覚えておいて差支え無いでしょう。
1ロット | 用途 | |
国内口座 | 1,000通貨 | 50万円以下で始める人向け |
国内口座 | 10,000通貨 | 国内では一般的 |
海外口座 | 100,000通貨 | 海外では一般的 |
実際にいくらの取引になるの?
では、実際に1ロット(10,000通貨)の取引をすると、いくらの金額が動いているのか例を挙げてみます。
取引の大きさを知っておくことがリスクと資金管理に役立ちます。
取引条件
1米ドル=105円の時
米ドル/円 ペアを1ロット(10,000通貨)買った場合
取引金額
=105円×10,000通貨
=105万円
なんと、1ロットの取引をすると105万円もの金額が動いていることになるのです。
そんなお金持ってないよ!!
僕も初めてロットについて知った時はびっくりしましたが、ここからはレバレッジが関係してきます。
レバレッジ取引
FXには少ないお金で大きな取引ができる「レバレッジ」という制度があります。
日本のFX口座はレバレッジ25倍なので、実際に動くお金の1/4の資金があれば取引をさせてもらえます。
ということは、先ほどの取引で実際に必要なお金は?
取引に必要なお金は?
必要証拠金
=105万円÷レバレッジ25倍
=42,000円
なんと、105万円の取引をたった42000円でやらせてもらえるのです。
ココがFXの『少ないお金で大きな取引ができる』仕組みです。
*「取引に必要なお金」のことを「必要証拠金」と言います。
1ロットでいくら儲かるの?
次に、1ロット(10,000通貨)の取引でだいたいいくら儲かるのかを米ドル相場を例に説明していきます。
通常1米ドルの1日の値動きは1円あるかないかです。
先ほどの105円の例にすると104.5円~105.5円の変動が予想されます。
では、もし104.5円の時に1ロットの買いを入れ、105.5円の時に売ったとすると利益はどれくらいになるでしょう?
1ロットで1円抜いた時の利益は?
利益
=(105.5-104.5)×10,000通貨
=10,000円
つまり、【米ドル/円】では1ロットの取引で1円抜けば10000円、1銭抜けば1000円の利益を挙げることができるのです。
何ロットで取引するのが安全?
最後にロットと資金管理について。
FXではロットを上げれば上げるほど同じトレードをした時の利益は大きくなりますが、同時に資金を失ってしまうリスクも跳ね上がります。
なので『自分の資金で何ロットの取引をすれば安全なのか』を知っておくことが重要です。
実際、負けトレーダーの殆どが取引ロットを上げ過ぎたために破綻しています。
絶対に資産が全溶けしないロット数は?
結論から言うと、僕は初心者も玄人も資金100万円につき1取引1ロット(10,000通貨)を厳守した方が良いと思っています。
*資金10万円なら1取引につき0.1ロット
なぜなら、FXは平時は1円幅しか動かなくても、ある日突然10円~20円の大きな変動が起こるからです。
そして、大変動が起こる度にたくさんのトレーダーが破産しています。
- リーマンショック(2008)
- ギリシャショック(2009)
- 東北大震災(2011)
- スイスショック(2015)
- アップルショック(2019)
- コロナショック(2020)
有名な億トレーダーや凄腕トレーダーでも破産するのに、初心者がロットを上げて生き残れるわけがないのです。
安全な取引ロットは?
①100万円あたり1取引1ロット(10,000通貨)を厳守
②同時に持てるポジションは合計5ロットまで
このルールを守っている限り、今この瞬間にコロナショック級の大暴落が起こっても破産しません。
正直、1取引1ロットだと毎日の利益は非常に地味なものになりますが、FXは儲けることよりも生き残ることを最優先すべきです。
コツコツ毎月数%の利益を積み上げていくことが莫大な資産を築く一番の近道です。
まとめ
①ロットとは?
FXで使われる取引単位のこと。
1ロット=10,000通貨が一般的。
②実際に動くお金は?
1ロットで100万円くらいの取引になる。
レバレッジで実際に必要なお金は少なくて済む。
③1ロットでいくら儲かるの?
1円抜けばだいたい1万円儲かる
④安全なロット数は?
資金100万円で1取引1ロット(10000通貨)を厳守。
同時に持つのは最大5ロットまでを厳守。
FXの『ロット』の意味を理解していただけたでしょうか?
レバレッジのおかげで少ないお金でも大きなロットで取引可能ですが、実際に動いているお金は大きいことを忘れてはいけません。
この記事で紹介したロット数のルールを守りさえすれば初心者トレーダーでも大事な資金を大きく減らすことはありません。
まずはFXで生き残りましょう。儲けるのはそれからです。