【FX】バルサラの破産確率が本当に伝えたいこと

【FX】バルサラの破産確率が本当に伝えたいこと

FXトレードをしているとバルサラの破産確率を耳にする人が多いのではないかと思います。

バルサラの破産確率とはトレードの勝率や損益率を表に当て嵌めることで『今の成績でトレードを続けた場合、破産する確率は何%あるのか?』を知ることが出来るものです。

自分のトレード手法を見直すうえでバルサラの破産確率は役に立つものですが

  • バルサラの破産確率を基に勝率を改善すれば勝てる
  • バルサラの破産確率を基に損益率を改善すれば儲かる

というわけではないで勘違いしないようにしたいところです。

この記事では、バルサラの破産確率をFXにどう活かせば良いかを解説していきます。

バルサラの破産確率とは?

バルサラの破産確率とは『勝率と損益率が高いほど破産する確率が低い』という法則で、『破産確率が低いほどFXで長く生き残れる』つまりトレードを長く続けられることを意味します。(当たり前と言えば当たり前なんですが。)

判定は自分のトレード実績から割り出せる次のパラメータを表に当て嵌めれば簡単にできるので、自分のトレードを客観的に見直すのに便利です。

バルサラの破産確率パラメータ

勝率:勝トレード数÷総トレード数

損益率:平均利益÷平均損失

損切りを資金の2%にした時の破産確率

この表だと破産確率100%が赤で示されています。

なので、例え勝率80%だとしても損益率が0.2(つまり利確1:損切り5)のトレードを続ければ100%破産が待っていることを教えてくれます。

管理人のトレードはどれくらい?

実際に僕が公開しているリアルトレード実績を用いて説明すると

各パラメーター

勝率:71%

損益率:69.92÷41.54=1.68

表の通り破産確率が0.00%なので非常に安全で優秀な(笑)トレードをしていることが分かります。

リスクに晒す金額で『破産確率』は大きく変わる

実はバルサラの破産確率は『勝率』と『損益率』に加えて『リスクに晒す資金の割合』を考慮すると結果が全く違ってきます。

今まで例に挙げてきた表は損切り2%としたときのものなので、もっとリスクレベルを上げたバルサラの破産確率表を比較してみます。

損切り2%

損切り25%

損切り50%

比較するとよく分かるように、リスクに晒す資産が大きければ勝率が高い&損益率が良くても破産する確率が高くなってしまうのが分かりますね。

この表から破産しないトレードを心掛けるなら、グリーンゾーンの『勝率』×『損益率』を目指したい⇒自分のトレードはどうだろう?といった見直しが出来るわけです。

びっくり!
びっくり!
なるほど!
じゃあ勝率と損益率を高くすれば破産しないんだ!!シンプルで分かり易いね!!

と思ってしまうんですが

バルサラの破産確率を意識したからと言って破産を回避できるわけではありません。

データは『結果論』である

なぜかと言うと、バルサラの破産確率に当て嵌める『勝率』や『損益率』は過去のデータなわけで、今後のトレードも同じ戦績になる確証など無いからです。

言うなればチャートに表示されているテクニカル指標のようなもので、未来を予言するツールでは無いのです。

トレード成績は自由にならない

よく考えれば分かることですが、トレードの『勝率』や『損益率』を良くしようと思って変えられるなら負けるトレーダーなど居ないはずです。

たとえば次のようなトレードを目論んだとします。

びっくり!
びっくり!
損益率が良いトレードって、こう言うトレードだろ!!!?

確かに目論みでは利確10:損切り20=損益率5の素晴らしいトレードになりそうですが狙った通りになるほどFXは甘くありません。

トレーダーが勝手に想定した損切り幅&利確幅で相場が動いてくれることは滅多にありません

勝率と損益率は反比例する

それに、勝率と損益率は原則として反比例します。

相反する勝率と損益率

勝率を上げるなら?
①プラ転したら直ぐに利確する
②損切りしない
勝率は上がるが損益率は下がる

損益率を上げるなら?
①マイナスになったらすぐ損切りする
②損切幅<利確幅にならないと利確しない
損益率は上がるが勝率は下がる

トレーダーによってはテクニカル分析&ファンダメンタル分析の上手い下手で多少の勝率&損益率の違うかもしれませんが

何人も完璧な相場予想は出来ない』原理原則のもと無限にトレードを繰り返した場合

勝率と損益率を同時に極大化することは不可能なのです。

バルサラの破産確率で唯一『自由に設定できる』ものは?

為替相場がトレーダーの思惑通りに動いてくれない以上、

『勝率は〇〇%を目指そう』

『損益率は〇〇以上にしないとダメ』

みたいな目標を決めてトレードしたところで思った通りにトレード改善できるわけではないのです。

びっくり!
びっくり!
え~?バルサラの破産確率表って意味無いの?何が言いたいの?

と思ってしまうのも無理ないかもしれません。

しかし、バルサラの破産確率表が本当に伝えたいことは、破産したくなければ『勝率を高くしろ』&『損益率を良くしろ』ではなくて『リスクに晒す資産を抑えろ』なのです。

実はバルサラの破産確率表のなかで、唯一トレーダーが自由に設定できる数値があります。

もう一度よく見てみると?

バルサラの破産確率でトレーダーが自由に決められるのは?

①勝率
⇒相場次第で分からない

②損益率
⇒相場次第で分からない

③リスクに晒す資産
自由に決められる

つまり

『破産したくなければ、勝率と損益率を見直しなさい』

ではなく

あなたの実力じゃ破産するからリスクに晒す資産を見直しなさい

と伝えてくれているわけです。

損切り≒リスクに晒す資産

さて、『リスクに晒す資産』ですが、ココで安直に『損切りを早くしたら良いの?』に置き換えてしまうと損益率との反比例で話が堂々巡りになってしまいます。

なので今一度、損切額の計算を見直してみましょう。

損切額の計算は?

損切額=ロット数×損切りpips

『リスクに晒す資産』を抑えるには、①ロット数を小さくするor②損切りpipsを狭くする、しかありません。

ココでどちらを選ぶかはトレーダー次第ですが、僕の場合は①のロット数を小さくする=実効レバレッジを下げるを選んでいます。

なぜならロット数を小さくすれば損切りpipsを広くして余裕を持てるので『だいたいのトレンド目線』が合っていれば勝率と損益率のバランスが取れるからです。

まあ、結果論と言われればそれまでなのですが、冒頭で公開したトレード実績が物語っていますよね。

わらしべ
わらしべ
『儲ける』ことよりも『生き残る』ことを優先したトレーダーが結果的に儲かる&勝てるってことなんだよね。

まとめ

ということで『バルサラの破産確率』をどのようにFXに活かせば良いかをテーマに解説してきました。

ここまでのポイントをまとめると

①バルサラの破産確率とは?
⇒今のトレードを続けて破産する確率を表す
⇒リスクに晒す金額で大きく変わる

②未来の破産確率は分からない
⇒勝率や損益率は良くしようと思って改善できるものではない
⇒勝率と損益率は反比例する

③どうトレードに活かしたらいい?
⇒実力に合わせて『リスクに晒す金額』を下げるしかない

トレーダーは誰もが『勝率を上げたい』『損益率を上げたい』と思いますが、相場の完璧な予測が不可能な限り希望通りにトレード成績を改善することなどできません。

残された道は現状の実力に合わせて『リスクに晒す金額』を見直すしかありません。

投資のレジェンドであるジョージ・ソロスが『まずは生き残れ、儲けるのはそれからだ』と言った意味がしみじみと伝わって来ますね…

現在のトレードが破産領域に居る方は、この記事がトレード見直しのきっかけになれば幸いです。